top of page

猫も膀胱炎にかかることがあります。


猫ちゃんと獣医師

この病気は、猫の尿路や膀胱に炎症が生じる疾患です。一般的な原因は、細菌や結石によるものですが、他にもストレスや体内の問題によって引き起こされることもあります。

猫がトイレから出てこないことや、おしっこの量が減った場合、膀胱炎の可能性があります。実際、猫にとって膀胱炎はよく見られる病気で、さまざまな原因が関与しています。今回は、膀胱炎の原因と治療方法について詳しく見ていきましょう。


「膀胱炎とはどのような病気でしょうか?その原因や症状について、詳しく探ってみましょう。」


「膀胱炎」は、猫の膀胱が炎症を起こす病気です。この病気の原因として考えられる要因を見てみましょう。

まず、「細菌性膀胱炎」は、膀胱内に通常存在しない細菌が侵入することで引き起こされます。この細菌は尿道を通じて膀胱に入り、増殖して炎症を引き起こします。炎症が進むと膀胱粘膜がダメージを受け、出血や刺激を引き起こすことがあります。また、細菌が尿中の尿素を利用してアンモニアを生成することで尿のpHが上昇し、結晶や結石の形成を促すこともあります。


もう一つの要因として挙げられるのが「特発性膀胱炎」です。この病気の原因は明確には分かっていませんが、ストレスが関与していると考えられています。トイレの環境や排泄のタイミングにストレスを感じることで、膀胱炎を引き起こすことがあります。この特発性膀胱炎は、尿検査や結石の検出などで細菌や異物が見つからないのが特徴です。

猫も膀胱炎は、年齢や性別に関係なく見られる病気であり、早期発見と適切な治療が重要です。


猫ちゃんと獣医師

習慣化される可能性がある

膀胱炎は再発しやすい傾向があります。細菌が原因で引き起こされた場合は、適切な薬で治療しても再発することがあります。なぜなら、泌尿器の特性やトイレ環境、行動パターンによる影響も考えられるからです。

特発性膀胱炎の場合は、原因が明確でないため対策が難しいこともあります。再発する場合は、尿検査だけでなくX線やエコー、細菌培養、腎臓の機能評価などの詳細な検査が必要となることがあります。再発性の膀胱炎は長期間の根気強い治療が必要です。ですから、少しでも排尿に異変を感じたら、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。


膀胱炎が発症すると、猫の排尿に異変が現れることがあります。

「膀胱炎」は猫にとってよく見られる疾患の一つです。症状を早期に発見することが重要で、その症状には以下のようなものがあります。


・頻繁な排尿:膀胱や尿道が炎症を起こすため、猫がよくトイレに行きたがります。


・少量の尿を何度も排尿する:排尿回数が増え、一度に排尿する量が少ないことがあります。


・尿の色やにおいの変化:血尿や膿尿(どろっとした尿)が見られることがあります。


・尿意を感じても排尿しない:トイレに行くものの、実際には排尿しないことがあります。

男の子の場合、尿道が細くカーブしているため、尿の詰まりやすい状態になります。これによって尿道閉塞が引き起こされることがあります。尿道閉塞では、排尿ができないため膀胱に多量の尿がたまり、急性腎障害を引き起こす可能性があります。注意が必要です。



膀胱炎の原因は何でしょうか?

膀胱炎の原因には、細菌感染による「細菌性膀胱炎」、特定の原因がわからない「特発性膀胱炎」、そして尿中の成分が析出して結石を形成する「尿石による膀胱炎」があります。


細菌性膀胱炎は、細菌が膀胱に侵入することによって引き起こされます。一方、特発性膀胱炎の原因は不明ですが、ストレスが関与することが考えられます。また、濃縮した尿が膀胱を刺激することで発生することもあります。


猫は通常、他の動物や人間よりも飲水量が少なく、尿が濃い傾向にあります。このため、尿中の成分による刺激が強くなります。特に尿を長時間膀胱に溜めておくことが膀胱炎の原因となることがあります。

尿石による膀胱炎は、尿中の成分が析出して結石を形成することが原因です。猫では主にストルバイトやシュウ酸が尿石の原因となります。適切な酸・アルカリバランスを保つことが重要です。


猫ちゃんと獣医師

膀胱炎を見分けるポイントは何でしょうか?

膀胱炎を見分けるためのポイントをお伝えします。膀胱炎は再発しやすい病気なので、日常生活で早めに兆候に気付くことが大切です。特に、トイレの様子や排泄物をチェックすることが重要です。以下に、膀胱炎の疑いがある場合に見られる状態や症状を紹介します。

  1. 陰部を舐める、気にする様子 陰部を舐めていたり、気にしている様子が見られる場合、痛みや違和感を感じている可能性があります。不安そうに落ち着きがない様子も注意が必要です。

  2. 頻繁なトイレ行きがあるが尿が出ない 頻繁にトイレに行っているのに尿が出ない場合、注意が必要です。トイレに行っても排尿をしない状態が半日以上続く場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

  3. 尿の色やにおいが異常 トイレ掃除をする際、尿の色やにおいに異変を感じた場合は、すぐに動物病院で診てもらうべきです。尿の色が白く濁ったり、血が混じっていたりする場合は特に注意が必要です。

  4. 排尿時に鳴く 尿石による膀胱炎では排尿時に痛みを感じて鳴くことがあります。排尿時に鳴いている場合は、おしっこが出たかどうかも確認して、早めに動物病院に連れて行きましょう。

これらのポイントを把握して、猫の健康状態をしっかり見守ってください。


膀胱炎の治療方法や使用される薬についてお伝えします。

猫の膀胱炎は、様々な治療方法があります。治療の鍵は、まず膀胱炎の原因を正確に特定し、それに適した治療を行うことです。

細菌性膀胱炎の場合は、尿検査によって細菌が見つかれば、それに効く抗菌薬を処方します。治療中は、獣医師の指示に従って正確な投薬を行い、完治するまで継続します。細菌性膀胱炎に伴う尿中結晶があれば、それに対応した専用の食事療法も検討されます。

一方、特発性膀胱炎では原因がはっきりしないことが多く、治療には慎重なアプローチが必要です。尿検査や鑑別診断を行い、必要に応じて特別な食事療法を導入します。再発を防ぐためにも、予防策を意識した治療が行われます。

治療にかかる費用は病院や治療方法によって異なります。一般的には、膀胱炎の年間平均診療費は約45,741円(アニコム家庭どうぶつ白書2019)とされています。治療計画を立てる際には、費用や保険のカバー範囲を確認することも大切です。



膀胱炎を未然に防ぐためにはどんな方法がありますか?

膀胱炎は猫にとって避けたい状態です。発症した場合、再発するリスクが高いため、予防策がますます重要となります。では、膀胱炎を予防するためにはどのような対策が有効でしょうか?

  1. ストレスを減らす 猫はデリケートな動物で、トイレが汚れていると排泄をためらうことがあります。猫が安心してトイレを使えるよう、清潔な環境を保つことが大切です。猫がストレスを感じないよう、安心できる場所や適切な食事を提供しましょう。家に複数の猫がいる場合は、それぞれが居心地の良い場所を確保することも重要です。

  2. 水分摂取を増やす 猫には十分な水分摂取が必要です。水分を多く摂ることで排尿回数が増え、膀胱に尿が溜まりすぎることを防ぐことができます。新鮮な水をいつでも飲めるように心がけましょう。水をあまり飲まない猫には、ウェットフードや水を加えたドライフードを与えることも効果的です。

  3. 食事内容を見直す 尿路結石のリスクを減らすために、食事内容に注意が必要です。ストルバイトやシュウ酸カルシウムといった結石ができやすい成分を含まないフードを選ぶことが重要です。健康な尿路を保つために、バランスの取れた食事を与えましょう。

これらの予防策を実践することで、猫の膀胱炎を予防し、健康な生活をサポートすることができます。



猫ちゃんと獣医師

「まとめ」

猫が膀胱炎を発症する原因は多岐にわたります。それに応じた対策が必要です。日常的に行う排尿は普段から見かける行動ですが、その様子を注意深く観察することで、微妙な変化に早く気付けます。排尿に関連した問題は重大であり、場合によっては命にかかわることもあります。尿の回数や量、色、匂いなどを日々チェックしてみましょう。





Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page