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猫の耳垢が多い?病気のサインかも!注意すべき耳垢の特徴とは?


猫ちゃんと獣医師

猫の耳の構造と耳垢の仕組み

こんにちは、猫好きの皆さん!今回は猫の耳の構造と耳垢について詳しくお話しします。猫の耳はとてもデリケートで、健康管理には耳垢のチェックが欠かせません。まずは、耳の構造から見てみましょう。


耳の構造

猫の耳は大きく分けて、外耳、中耳、内耳の3つの部分から成り立っています。耳の外側に見える部分、いわゆる耳介から鼓膜までの部分を外耳と呼びます。外耳道と呼ばれる耳の穴から鼓膜までの通り道には、細かい耳毛や脂腺が多数存在します。


耳垢の仕組み

この外耳道には、細かい耳毛や皮膚片、脂腺からの分泌物が混ざり合って耳垢が生成されます。耳垢は代謝された皮膚片と混じり合い、耳の自浄作用により自然と耳の出口へと運び出される仕組みになっています。このため、正常な耳でも耳垢は存在し、耳穴まで出てくるのです。


正常な耳垢と異常な耳垢

正常な耳垢は、べたつきが少なく、臭いもほとんどありません。また、軽く拭くだけで数日間はきれいな状態が続きます。このような耳垢は生理的なものであり、特に心配する必要はありません。

しかし、以下のような耳垢には注意が必要です。

  • 量が多い:普段よりも大量の耳垢が見られる場合。

  • 色が異常:黒っぽい色や赤みを帯びた耳垢。

  • 強い臭い:不快なにおいがする耳垢。

  • 猫が耳をかゆがる:耳をしきりにかいたり、頭を振ったりする場合。

このような耳垢が見られたら、耳ダニや感染症などの病気の可能性がありますので、早めに獣医さんに相談しましょう。

猫の耳の健康を保つためには、定期的なチェックと適切なケアが大切です。愛猫の耳垢をしっかりチェックして、健康で快適な生活をサポートしてあげましょう。



猫ちゃんと獣医師

中耳炎について知ろう

病気が考えられる耳垢とは?気を付けるべき耳垢の特徴

猫の耳垢に関するちょっと気になる情報をお届けします。普段の耳垢とは異なる耳垢が出ている場合、病気のサインかもしれません。そこで、注意すべき耳垢の特徴について詳しくご紹介します。


気を付けるべき耳垢の特徴

次のような耳垢が見られたら注意が必要です。

  1. 臭いが強い

  2. 量が多い

  3. 色が通常と異なる

これらの特徴を持つ耳垢は、以下のような病気の可能性があります。


外耳炎

外耳炎は、耳の穴から鼓膜までの部分である外耳道の炎症を指します。原因はさまざまですが、猫の場合、耳ダニの感染や耳の構造異常(耳道が狭い)、腫瘍やポリープなどが多くを占めます。


耳ダニ感染

耳ダニは「ミミヒゼンダニ」というダニが原因です。耳ダニは外耳道に寄生し、剥がれた皮膚などを食べて生活します。このダニの排泄物や死骸が混ざり合うため、耳垢は真っ黒になり、大量に出ることが特徴です。また、耳ダニ感染は強いかゆみを伴います。母猫から感染することが多く、特に子猫に多いですが、外に出る猫は成猫でも野良猫から感染することがあります。


耳の構造異常

耳の構造に異常がある場合、自浄作用が働きにくくなり、耳垢が自然に外に出づらくなります。このため、外耳道の湿度や温度が悪化し、細菌感染や真菌(マラセチア)の増殖が起こりやすくなります。細菌感染があると、耳垢は黄色~緑色になり、臭いも強くなります。ひどい場合は痛みもあり、猫が眠れなくなったり、頭をしきりに振ったり、頭が傾くことがあります。マラセチア感染では、耳垢が濃茶色~黒色になり、量も多く、臭いも強くなります。炎症がひどい場合は痛みも伴います。


腫瘤やポリープ

腫瘤やポリープなどがある場合も、耳垢が外に出るのを妨げるため、外耳道の環境が悪くなり、細菌感染やマラセチア感染を引き起こします。また、腫瘤自体からの出血が耳垢に混ざることもあります。


その他の原因

外耳炎は、アレルギーや自己免疫疾患など、全身性の病気の一症状として現れることもあります。これらの場合、直接耳垢に変化は少ないですが、かゆみにより耳を掻くことで耳道が腫れ、耳垢の量が増えたり、感染が引き起こされることがあります。


中耳炎について詳しくお話しします。猫の耳の健康はとても大切ですので、中耳炎の症状や原因について知っておくことが大切です。



中耳の構造と役割

中耳は鼓膜の奥にある部分で、頭寄りに位置する「鼓室」という空気で満たされた小さな部屋を指します。鼓室の中には、耳小骨と呼ばれる3つの骨がつながっていて、音の振動を鼓膜から内耳へ伝える重要な役割を担っています。また、中耳は平衡感覚や気圧調整にも関わっています。


中耳炎の症状と原因

中耳炎は中耳の炎症であり、以下のような症状が現れることがあります。

  • 神経症状:中耳には顔につながる一部の神経が近接しているため、炎症が起こると神経に影響を及ぼし、縮瞳(瞳孔が小さくなる)、瞬膜の突出、斜頸(首が傾く)などの症状が出ることがあります。

  • 耳垢の異常:通常、中耳は鼓膜で外部と隔てられているため、耳垢が出ることはありません。しかし、外耳炎が進行し、鼓膜に穴が開いて細菌が中耳に侵入すると、中耳炎が発生することがあります。

猫の場合、無菌性の粘液が中耳に貯留し、炎症を引き起こすこともあります。このような場合、中耳炎が発生することがあります。


早期発見と治療の重要性

中耳炎は放置すると症状が悪化し、猫の健康に大きな影響を与えることがあります。したがって、異常を感じたら早めに獣医さんに相談することが大切です。日常的に耳のチェックを行い、異常がないか確認しましょう。


耳垢が溜まりやすい猫はどんな猫?

猫の耳垢についてのお話です。耳垢が溜まりやすい猫と、その対策について一緒に見ていきましょう。


耳垢が溜まりやすい猫種

猫は犬ほど外耳炎になることは少ないですが、統計的には特定の猫種で発症が多いことが知られています。例えば、ヒマラヤンやペルシャなどの猫は外耳炎になりやすい傾向があります。また、耳の形が特徴的なスコティッシュ・フォールドやアメリカン・カールなども耳垢が溜まりやすく、外耳炎のリスクが高いです。


耳垢が溜まりすぎないようにするには?

耳垢が溜まりすぎないようにするためには、定期的なお手入れが大切です。ただし、耳はとてもデリケートな部分なので、お手入れの頻度や方法には注意が必要です。

  1. 週に一度のチェック:耳が汚れていないか確認します。汚れが少なければ特に掃除する必要はありません。触られたことで猫が気にしてしまうこともあるので、無理に掃除するのは避けましょう。

  2. 軽い汚れのケア:黄土色から茶色の汚れが耳介や耳の穴周辺についている場合は、ぬるま湯で湿らせたガーゼやコットンで優しく拭き取りましょう。

  3. 異常がある場合:定期的に耳掃除をしていても耳が汚れすぎる場合、何らかの異常がある可能性があります。その場合は、すぐにかかりつけの動物病院に相談しましょう。

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自己判断での薬の使用はNG

インターネットで耳用の外用薬が簡単に手に入るようになっていますが、自己判断で薬を使うのは避けましょう。特に油性の外用薬を使用すると、それが汚れを引き寄せる原因になることがあります。また、誤った薬を使うと耳の状態が悪化する可能性もあります。まずは必ず獣医さんに相談してください。


やってはいけない耳掃除の方法

耳介のしわに汚れが入り込んで取れにくい場合は、耳洗浄液や水で湿らせた綿棒で優しく拭き取ります。その際、耳が赤くなるほど強くこするのはやめましょう。また、見えない範囲には綿棒を入れないようにしてください。

基本的に、猫の耳には自浄作用があり、汚れは自然と外に出てきます。お手入れは、出てきた汚れを優しく拭き取るだけで十分です。奥まで綿棒を入れると、汚れを奥に押し込んでしまったり、鼓膜を傷つけてしまう危険があります。


猫ちゃんと獣医師

まとめ

今回は猫の耳垢についてのまとめです。猫の耳には自浄作用があり、自然と汚れを外に押し出す力があります。そのため、健康な猫でも耳垢は少量出るのが普通です。

しかし、以下のような耳垢が見られたら注意が必要です。

  • 量が異常に多い

  • 臭いが強い

  • 濃い茶色や黒い耳垢

  • 緑色の耳垢

これらの症状がある場合、耳に何らかの異常がある可能性があります。

耳垢が溜まりすぎないようにするには、定期的なお手入れが大切です。週に1回程度、耳洗浄液やぬるま湯で湿らせたコットンで耳を優しく拭いてあげましょう。ただし、あまり深く掃除しすぎないように注意してください。

もし、自宅でのケアをしていても耳垢が多いと感じる場合は、かかりつけの動物病院に相談することをお勧めします。専門的な診断と治療を受けることで、愛猫の健康を守ることができます。

猫の耳の健康を保つために、定期的なチェックとお手入れを心がけましょう。愛猫との楽しい時間を続けるために、ぜひ参考にしてくださいね。

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