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猫だって暑さに弱いです!暑さの中で熱中症になるリスクもあります。


猫ちゃんと獣医師

最近では、日本の夏は非常に暑いと感じられるほどに気温が上昇しています。20~30年前に比べて、関東地域で35℃を超える猛暑日が増えており、気候の変化が顕著です。暑い季節には、私たちが最も心配するのが熱中症です。この問題は人間だけでなく、猫も影響を受けます。猫が熱中症にかかるとどのような症状が現れるか、そして対策や予防方法について詳しく説明します。


熱中症は、体温の急激な上昇によって引き起こされる健康問題です。 熱中症は、特に夏季によく見られる健康上の問題です。以前は「熱射病」と呼ばれていましたが、現在はそれだけが原因ではないことから、より包括的な名称が用いられるようになりました。暑さによる影響はさまざまで、温度、湿度、風、輻射熱などが体感温度に影響を与えます。猫も室内飼育が一般的ですが、部屋の環境によっては高温になりやすい状態になることがあります。

猫は汗をかくことができる部位が限られており、発汗による体温調節が得意ではありません。また、呼吸による放熱も限られています。そのため、猫が高温環境に長時間さらされると、体内の熱が蓄積しやすくなります。発汗や呼吸を通じて放熱を試みますが、これが不十分であれば熱中症のリスクが高まります。

近年は気温が上昇しており、猫も熱中症にかかる可能性が高くなっています。猫の体調管理には注意が必要です。


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熱中症の症状

熱中症になると、体が十分に熱を放散できずに蓄積し、それによって体調不良を起こすことがあります。具体的な症状としては、頭痛やめまい、吐き気や嘔吐、意識の混濁、脱水症状、筋肉痛や倦怠感などが挙げられます。また、熱中症が進行すると体温調節が乱れ、重度の場合は意識を失うこともあります。熱中症の症状は早期に気づいて適切な対処を行うことが重要です。


夏の時期には、人間だけでなく猫も熱中症になるリスクが高まります。猫は犬に比べて暑さには耐性がありますが、個々の要因によって熱中症になる可能性が変わります。熱中症になった猫がどんな症状を示すのか、しっかりと理解して早めに対処することが重要です。

まず、猫が熱中症になると元気がなくなり、ぐったりしています。活動量が低下し、ため息をつくこともあります。この状態が長く続くと、猫は力が抜けてぐったりしてしまいます。その時は猫の体温を確認し、呼吸状態を注意深く観察しましょう。


次に、猫がパンティングと呼ばれる口呼吸をすることがあります。これは熱を逃がすための一つの反応ですが、猫はこのような呼吸をすることが少ないため、異常を示すサインとなります。口を開けて呼吸している状態は、通常見られることではありません。口の中が鮮やかな紅色になっている場合や、舌や歯茎が紫色に変化している場合は、熱中症の兆候として深刻なサインです。


さらに、熱中症になった猫は足元がふらついたり、嘔吐や下痢をすることがあります。これは高体温が脳や神経に影響を与え、バランス感覚や消化機能に異常を生じさせるためです。脱水症状も起こりやすく、それによって血圧低下やけいれんといったショック症状が現れることもあります。

熱中症の症状は早めに気づくことが重要です。猫の体調をよく観察し、暑さ対策をしっかり行いましょう。



猫ちゃんと獣医師

熱中症を起こした猫に対する応急処置は非常に重要です。

愛猫が熱中症の疑いがある場合、すぐに行うべき対応方法をご紹介します。

  1. 体温を下げる: 高体温状態では、身体の各臓器に負担がかかります。首の周りや腋の下、四肢の付け根などを冷却することで体温を下げましょう。冷たいタオルや保冷剤を使用しますが、直接肌に触れないように気を付けてください。過度な冷却は血管を収縮させる可能性があるので、適度な冷却を心がけます。

  2. 水分補給: 猫が意識を保っていて飲みたがる場合は、少量ずつ水を与えてください。水を無理に飲ませることは逆効果なので、猫の反応を見ながら慎重に行います。また、食欲がある場合はウェットフードを少量与えることも考えましょう。

  3. 動物病院へ連れて行く: 上記の処置を行った後でも、症状が改善しない場合や状態が悪化する場合は、速やかに動物病院を受診してください。熱中症は重篤な状態に進行する可能性があるため、専門家の診察と治療が必要です。

熱中症は早期発見と迅速な対応が命を守る鍵です。自宅でできる応急処置は大切ですが、症状が続く場合や不安な場合は必ず専門家に相談しましょう。


熱中症から回復した後、体に後遺症が残ることはありますか?

熱中症は、体温が上昇し、体内の熱が外部へ逃げられない状態が続くことで引き起こされるものです。特に脳神経系の組織は高い熱に弱いため、懸命な治療を受けても、後遺症が残ることがあります。体温が40℃以上の状態が長時間続くと、細胞のタンパク質が変性してしまい、元に戻ることはありません。

熱中症を予防する方法として、以下のポイントに気をつけることが重要です。


  1. 部屋を風通し良くする

  2. 水分を十分に摂取できる環境を整える

  3. 猫の体温を適切に管理する

熱中症の治療にかかる費用は、症状の重症度によって異なります。軽度の場合は通院で済むこともありますが、重症の場合は救急治療や入院が必要となり、費用も高額になることがあります。治療費は1回の通院で5,000~10,000円程度から始まり、入院や集中治療が必要な場合には数万円以上かかることもあります。


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まとめ

猫の熱中症は発症例は犬ほど多くはありませんが、近年の気候変動や室内の高温化が原因で夏場に増加しています。真夏だけでなく、梅雨時に急に暑くなることもリスクを高めます。熱中症予防では体感温度を管理し、猫の環境を快適に保つことが大切です。

もし熱中症の症状が見られたら、高体温を下げることが急務です。冷やすことで症状の進行を抑え、早めの動物病院への連れて行きも必要です。今年の夏も、愛猫と共に健康に過ごせるよう、注意を怠らず対策を行いましょう。






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