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猫が魚を好むのは本当でしょうか?それともある種類の魚を避けるべきなのでしょうか?


猫ちゃん

猫が魚を好むイメージは一般的ですね。実際にはペットショップでは魚味のキャットフードやおやつがたくさん並び、それを喜ぶ猫も多いです。しかし、猫に魚を与える際には注意が必要です。こちらで詳しく説明します。



猫が魚を好むのは本当でしょうか?

猫が魚を好むというイメージは、実は日本に特有なものです。猫の祖先は砂漠で生活し、小動物や鳥を主に食べてきました。そのため、海や川に入って魚を獲るという行動は見られませんでした。日本の猫が魚を好む背景には、日本の食文化が影響しています。昔の飼い猫は、人間の食事の残り物や魚中心の食事を与えられており、「ねこまんま」のような食事が一般的でした。そのため、日本の猫たちは魚味のフードやおやつに慣れ親しんでいます。


しかし、海外では鶏肉や牛肉などの肉類を主に使ったキャットフードが一般的であり、肉が好きな猫が多いです。ですから、日本の猫でも肉中心の食事を与えれば、魚よりも肉が好きになる可能性が高いです。猫の食好みは幼い頃の経験によって形成されるとされていますので、食事習慣にも注意して与えると良いでしょう。


それともある種類の魚を避けるべきなのでしょうか?

猫にとって魚は重要な栄養源です。特に、以下の栄養素が魚に豊富に含まれています。

  1. タンパク質 魚には高品質のタンパク質が含まれており、猫の体を構成するたんぱく質の材料として重要です。猫は完全肉食動物なので、タンパク質を豊富に摂取する必要があります。

  2. 不飽和脂肪酸 魚にはDHAやEPAといった不飽和脂肪酸が多く含まれています。これらの脂肪酸は、炎症の抑制や心臓や腎臓の健康維持に役立ちます。ただし、過剰摂取には注意が必要です。

  3. タウリン タウリンは魚に豊富に含まれており、猫の心臓や視力の維持に重要です。猫は自身でタウリンを生成する能力が限られているため、食事から摂取する必要があります。

これらの栄養素は猫の健康をサポートするために欠かせません。ただし、適切な量を守って与えることが重要です。



猫ちゃんと魚

猫に魚を与える際のポイント

猫に魚を与えるときは、以下の点に十分注意する必要があります。

  1. 栄養バランス:魚だけでは猫に必要な栄養素をすべて摂ることができません。総合栄養食のフードと組み合わせてバランスよく与えるか、手作り食の場合は他の食材と組み合わせて栄養バランスを保つようにしましょう。

  2. 骨:猫は魚の骨をよく噛まずに丸呑みする傾向があります。魚の骨が口腔内や喉に刺さるリスクがあるため、必ず骨を除去して与えるようにしてください。

  3. アレルギー:一部の猫は魚に対してアレルギー反応を起こすことがあります。初めて与える場合は少量から始め、異常が見られたらすぐに獣医師に相談しましょう。

  4. 黄色脂肪症:青魚には多くの不飽和脂肪酸が含まれています。過剰摂取すると黄色脂肪症のリスクが高まります。適切な量を守り、ビタミンEなどの抗酸化物質を摂取するように心がけましょう。

  5. ヒスタミン食中毒:一部の魚にはヒスタミンが多く含まれており、適切な保存や調理がされていない場合にヒスタミン食中毒が起こる可能性があります。魚を与える際は新鮮なものを選び、適切に保存・調理して与えましょう。

  6. 寄生虫:一部の魚にはアニサキスの幼虫が寄生していることがあります。生食や加熱不十分な魚を与えないように注意しましょう。

  7. チアミン欠乏症:特定の魚に含まれる酵素がチアミンを破壊するため、生で摂取するとチアミン欠乏症を引き起こす可能性があります。加熱調理を行うことで予防できます。

  8. 尿石症:魚にはミネラル分が豊富に含まれています。過剰摂取すると尿石症のリスクが高まるため、適切な量を与えるようにしましょう。

これらの点に留意することで、猫に安全かつ健康的に魚を与えることができます。



猫ちゃんと魚

安全に猫に与えられる魚は、主に以下の種類です。

これらの魚は、適切に処理されたものや加熱調理されたものを与えることで、安全に猫に食べさせることができます。ただし、魚を与える際は適切な量を守り、猫の個々の健康状態やアレルギーの有無を考慮して与えるようにしましょう。


カンパチ

タンパク質が豊富で脂分が少ないため、健康な猫に適しています。新鮮なものを与える場合は、生でも大丈夫ですが、量は少量に抑えましょう(刺身の半切れ程度)。


サケ

タンパク質や抗酸化物質が豊富であり、健康な猫に適しています。生でも問題ありませんが、アニサキスやチアミン欠乏症のリスクがあるので、加熱して少量を与えるようにしましょう。


タイ

低脂肪高タンパクな白身魚で、猫に適しています。新鮮で味付けのされていないものを少量与えるようにしましょう。骨は必ず取り除いてから与えることが重要です。


マグロ

トロは脂肪分が多く、カロリーが高いため、過剰摂取に注意が必要です。新鮮なものを少量加熱して与えるようにしましょう。


ツナ缶

塩分や脂肪分が多いため、内臓に負担をかける可能性があるので、注意が必要です。


注意が必要

アジ、イワシ、サバ、サンマなどの青魚は、不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。しかし、これらの魚を過剰に与えると、猫にとって黄色脂肪症のリスクが高まります。また、アニサキスの幼虫が寄生していることもあるため、生で与えるのは避けましょう。適切な方法としては、新鮮なものを茹でてほぐし、骨を取り除いてごく少量(ひとつまみ程度)与えることです。

カツオも猫に与えることができますが、注意が必要です。不飽和脂肪酸が多く含まれているため、黄色脂肪症のリスクがあります。また、ミネラル成分が豊富なため尿石症のリスクもあります。食べ過ぎには注意し、新鮮で味付けされていないものをごく少量、加熱してから与えることが適切です。アニサキス食中毒やヒスタミン食中毒、チアミン(ビタミンB1)欠乏症のリスクもあるため、安全な方法で与えましょう。



これらの魚介類は猫にとって健康を害する食べ物

イカ、タコ、エビ、カニなどの海産物は、チアミナーゼという酵素を多く含んでいます。この酵素は生で摂取すると、チアミン(ビタミンB1)欠乏症を引き起こすリスクがあります。加熱することで酵素が失活するため、熱を加えたものでも消化に悪い傾向があるため、猫に与えるのは控えましょう。

また、貝類の中にも同様のリスクがあります。アサリ、シジミ、ハマグリ、アワビなどの貝類にもチアミナーゼが含まれており、生で摂取するとチアミン欠乏症の危険があります。さらに、アワビやサザエには有毒成分のピロフェオホルバイドαが含まれており、これによって光過敏症を引き起こすことがあります。この成分は加熱をしても毒性がなくならないため、貝類は生でも加熱しても猫に与えてはいけません。

以上の理由から、これらの海産物や貝類は猫に与える際には注意が必要です。安全を確保するためには、加熱調理を施してから与えることや、代わりに安全な食材を選ぶことが重要です。

猫ちゃんと魚

まとめ

猫が魚を好むのは本当でしょうか?それともある種類の魚を避けるべきなのでしょうか?

日本の猫たちが好む魚は、猫の栄養補給に役立つ重要な食材です。ただし、過剰な摂取や適切でない与え方は猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。魚を与える際には正しい知識を持ち、適切に管理することが必要です。猫たちの健康を守るためには、魚を適切に与える方法を理解することが大切です。


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