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ペット探偵ペットヘルプ


ペット探偵ペットヘルプ PETLIF


ペット探偵ペットヘルプを始めたきっかけを教えてください。


伊吹さん:ペット探偵ペットヘルプを始めたきっかけはいくつかあるのですが、産まれたときから身近に犬がいて、動物と触れ合っていました。元々両親がペット探偵として飼い主さんや迷子のペットを助けている姿を見ていて、自分も誰かを助けられる人になりたいという思いはずっとありました。


最初はペット探偵ではなく、別の業界に入ろうと思って専門学校に通っていましたが、その業界を調べていたときに、その業種の店舗がコンビニ以上に数があって溢れかえっている状態であることを知りました。同じ時期に迷子になるペットがたくさんいることも知って、それならペット探偵になった方が迷子のペットや困っている飼い主さんたちを助けることができるし、社会のためにもなるんじゃないかと感じたことが大きなきっかけですね。



ペット探偵を始める際、周囲の方からはどのような反応をされましたか。


伊吹さん:ペット探偵を始めると伝えた際には「大丈夫?」といった心配の声が多かったですね。もちろん親にも心配されましたし、通っていた専門学校も卒業まであと1年というところまで来ていたので、それまでの勉強や経験が無駄といえば無駄になってしまう、あれだけ頑張っていたのにもったいない、と友人や先生方からも言われました。


ただ、ペット探偵に関心を持ってこの業界を調べるほど、ペット探偵の多くは東京に集中していて地方には数が少ないといった業界の規模の小ささや、業界の闇というかもっと改善できるのではないかと思える部分が見えてきました。だったら自分がこの業界に入って、困っている飼い主さんや迷子のペットを助けたい、業界も変えたい、そういう強い意志の元で始めました。



ペット探偵ペットヘルプ PETLIF

年間の依頼や実績などの件数はどれくらいになりますか。


伊吹さん:数えきれないぐらいご依頼はあります。毎日何かしらきますね、実際に現場へ行く依頼だったり、オンライン捜索フォローというLINEで相談をいただいてアドバイスをするというサービスもあるので、どちらかは大体毎日やっています。


例えば18時間の捜査依頼をいただいて、1日6時間の捜索を3日行っても見つからなかった場合、他社だとそこで終了になってしまいますが、自分たちはそこで終了ではなくその後も「こういう情報があったんですけどどうしたらいいですか」という相談に乗ったり、アドバイスを続けます。出張の依頼が終わっても、アフターフォローは無料で行っていますね。


春子さん:とても真面目なので、アフターフォローが一年近く続くこともあります。もちろん無料で対応しています。「うちの子かもしれない」と情報を得た飼い主さんから画像が届けばそれを一生懸命引き伸ばし、白黒だったとしても迷子の子なのか別の子なのか確認します。

時々飼い主さんたちから「いつ寝ているの」と心配されるほど真摯に対応していますね。私自身もその姿勢に感動しています。


伊吹さん:迷子になった子を見かけたという情報が突然入ったり、こういうときはどうしたらいいですかというご相談にはタイムリーに返事をしないと、飼い主さんも困ってしまいますよね。「今〇〇で見かけたと情報をもらったけれどどう対応したらいいですか」という相談の返事をすぐにしないと、目撃された場所から移動してしまうかもしれません。


そういう意味でなるべく返信は早くしたいですし、すぐに返事をしないと連絡が溜まってしまうんです。100件以上、毎日たくさんご相談をいただくので、可能な限りすぐに返事をするようには意識していますね。



家から出てしまったワンちゃん猫ちゃんは、家の半径500mぐらいにいるという話を聞いたことがあるのですが、実際その範囲内で見つかることは多いのでしょうか。


伊吹さん:迷子になってから探し始める時間が早ければ早いほど、近くにいる可能性は高いですね。ただ、このようなインターネットの情報に当てはまらない子もたくさんいますし、わんちゃん、猫ちゃんが外に出てしまった理由や状況によっても変わってきます。

自分でドアなどを開けたり隙間から出て行ってしまったのか、窓から落ちた拍子にびっくりして迷子になったのか、そういった経緯によっても全然違ってきます。


迷子になってしまった状況や、その子の性格などを飼い主さんからよく聞いて現場を実際に見ながら探していくので、必ずしもこう探せば見つかりやすいですという断言はできませんね。



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ペット探偵という仕事を通して、学んだことはありますか。


春子さん:過去にご依頼をいただいた飼い主さんとの繋がりは深いですね。未だにLINEでやり取りをして、その後の様子を知らせていただくことも多いんです。また、別の子が迷子になってしまった時も連絡をいただくことがあり、昨日もご相談をいただいていました。

捜索で感動するのはもちろん飼い主さんの情熱なんですが、私たちがチラシを持って近隣のお宅を回って「この子が迷子なんです」とお話しすると、自分のことのように一生懸命協力してくださる方も多くいらっしゃいます。初動で居場所を特定するためには非常に重要で、ご近所の方との絆が本当に頼りになります。


畑周辺にカメラを置かせていただきたいとお願いに伺うことが多々あるのですが、畑の持ち主の方が「最近トウモロコシが減ってるんだけど誰が食べているのか分からない」と話されていたのでカメラを確認してみるとアライグマが映っていました。「自分たちが育てたトウモロコシが動物たちのご飯になるなら、それはそれでいいよ」と笑顔で話されていて、本当に感動しました。最後に「頑張ってね。体壊さないでね」と励ましの言葉と一緒にたくさんの野菜をいただきました。

たとえ数日間だけのお付き合いであっても、全国でこうした触れ合いがあって、私もすごく活力をもらっていますね。



ペット探偵という仕事で、苦労したことや大変だったことがあれば教えてください。


伊吹さん:猫でも犬でも自分の「もの」だと思ってる飼い主さんが多いんですね。ただ、その迷子になった子にはちゃんと気持ちもあるので「保護する」と表現しています。

例えば、見つけたときに「捕まえてください」という言葉が出る人はペットを「もの」だと思ってる方が多くて、網で捕まえるだったり追いかけて捕まえるだったり、捕まえられる「もの」だと思ってしまっている。

ただそれは、気持ちがあって生きてる迷子の子にとっては怖い状況だと思います。捕まえるではなくてどう心を開いて近づいてきてもらえるか、その子の気持ちを考えてどうしたら保護できるかっていうのが大切なんですということをお伝えするんですけど、それがやっぱり感情的になっていたり、焦っていたりすると「何で捕まえてくれないの」となってしまう方はいらっしゃいますね。説明をしてもこの部分がなかなか噛み合わないときというのは、正直苦労します。


春子さん:以前、逃げてしまった猫ちゃんの捜索を依頼された際、こちらで場所を分析して、多分この敷地内に隠れているだろうと予測したお宅に伺って家主様にカメラ設置の許可をお願いしましたが、門前払いされてしまったことがあります。

結局猫ちゃんは1ヶ月間その敷地内に隠れて、葉っぱなどを食べてしのいでいたようなのですが、偶然敷地から出てきたところを近隣の方が目撃していたんです。その方にチラシをお渡ししていたこともあり、家主様から捕獲機設置の許可をいただけて、最終的には無事猫ちゃんを保護することができました。


ご自宅の敷地内にカメラや捕獲機を置くことに抵抗を示す方の気持ちはもちろん理解していますし、本当に周囲の皆さんのご協力があっての捜査なんだなと実感しました。



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大変なとき、どのようにして気持ちの切り替えをされていますか。


伊吹さん:対応に苦慮する出来事があって落ち込むこともありますが、あまりにも感情的なご意見に応じることは正直できません。それは割り切れるのですがそれ以上に、こちらが正しいと思って行った行動が否定されたりすることのほうが辛い部分はありますね。

自分の行動に対しては、誰が見ても正しいと言われる自信を持っています。そうした状況に直面した時は、切り替えて次に集中するしかありません。助けを待っている子たちはたくさんいるので。



捜索を行った後、どのように飼い主さんにご報告されていますか。


伊吹さん:そうですね。実際に現場で見たことは、写真を撮影して地図上に記録し、LINEで写真や情報を送って報告します。見たことや聞いた情報をすべて、飼い主さんが現場にいるような感覚で伝えるように心がけています。「この場所で聞き込みを行ってこういった情報が得られました」「このお店がチラシを貼ってくれました」と、カメラに写った映像についても、「ここのカメラにはこういう猫が映っていました」と報告し、状況がしっかり伝わるようにしています。


春子さん:2、3年前に迷子の猫を捜索でテレビに出演した際、12台以上のカメラを設置しました。それ以来、他社でもカメラを活用するようになりました。ただ、理由なくカメラを置いているだけのところもあるようで、実際に飼い主さんに伺うとカメラの電源が入っていなかった、なんてこともあるようです。

時には設置したカメラが盗まれてしまうこともありますが、だからといって設置を止めることはありません。迷子の子を本気で見つけたい一心でやっています。


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遠方からの依頼もあるんでしょうか。


春子さん:ありますよ。今までで一番遠かったのは鹿児島です。これまで捜査で行ったところには地図で印をつけています。

実は、オンライン相談を含めると海外の依頼にも対応していて、国内はほぼ全ての都道府県に伺っています。熊本と大分には行ったことがありませんが、オンライン相談の段階で見つかり、飼い主さんも喜んでくださり安心しました。


伊吹さん:海外での依頼は、ハンガリーやロンドン、あとはタイかフィリピンだったかと思います。通訳は必要になってしまいますが、LINE通話ができればどこでも大丈夫です。迷子の子を探すのは国内でも海外でも変わらないんです。


一件は日本の方で、もともと知ってくれててご依頼いただきました。もう一件は、日本人の知り合いがいて、日本にはこういうペット探偵をしている人がいるよって繋げてくれて、ご依頼に至ったっていう感じです。知ってくれる人が海外でも増えれば、依頼したいと思ってくれる人はいるはずなので。


春子さん:海外のペット探偵は高額なことが多くて敷居が高いと聞きますが、オンライン対応で無事にペットを保護できたケースもあります。そうした活動を通して海外でも知ってもらえるのは本当に嬉しいですが、今は伊吹一人でやっているので体力的に限界があります。

ただ、状況を聞いた際に「きっと伊吹のオンライン相談で道がつくな」と感じることも多くあるんです。その道をつけることがすごく大事なので、そういう状況になると「この日なら対応できます」とつい依頼を受けてしまいますね。



どのように情報発信をされていますか。


伊吹さん:主にSNSを利用しています。具体的にはX(旧Twitter)、インスタグラム、Facebookです。あとはブログもホームページに掲載しています。YouTubeも時々更新していて、現在制作中の動画もいくつかありますね。

また、ペット探偵業界全体の改善を目指して様々な調査も行っているので、業界に関するデータは豊富に持っています。


春子さん:伊吹がペット探偵の実態をブログに載せたいと考え、半年以上かけて書き上げた記事があります。ただ、それを公開することに対して不安もあるんです。こちらの具体的な場所や名前は公にしているので、悪意ある攻撃があるかもしれないと思うと迷ってしまって。

迷子の子の飼い主さんは少しでも早く見つけたい一心で、すぐに動ける探偵に依頼する傾向があります。その後、見つからず困った状況になってから我々に依頼がくるケースもあるので、どのようにブログで適切な情報を発信していくかが今後の課題ですね。



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後輩の育成にはどのように取り組んでいますか。


伊吹さん:現在、同じ志を持つ年齢の近い方が一人いて、色々お伝えして一緒に学びながら業務を行っています。その方は自分の熱意や業界を変えたいという想いに感動して、自分と同じように迷子のペットや困っている飼い主さんたちを助ける仕事がしたいと言ってくれているんです。その方以外にも指導を待ってくれている方も複数いて、今教えている方が独り立ちできたら次の方に色々とお伝えしていく予定です。



ペット探偵の仕事はどのくらいの期間で身に付くのでしょうか。


伊吹さん:1ヶ月間密着して取り組めば、大まかには習得できると思います。今の方には色々と伝えたいことが多くて、今のところは3ヶ月ほどかけています。


他社の募集を見ると、「5日間で習得」や「1日で教える」と書いてあることも多く、少し説明してすぐ実践に送り出してしまうこともあります。このような場合、「こうしておけば文句を言われない」といった表面的な対応のみを教えられていることも多く、結果的に十分なスキルが身に付かず、捜査がその場しのぎで終わってしまう原因に繋がっていると感じます。

目撃情報があったので来てくださいという飼い主さんの依頼に「そんな薄い情報じゃ動けない」「何時に来るのかわかったら教えてください」と言うところもあるようで、それじゃ探偵ではなくて捕獲隊ですよね。


春子さん:他社では依頼が入れば入るだけ受けて、雇われた方が短時間で次々と現場を回るため結果的にしっかりした対応ができていないこともあるんです。例えば、探偵社の方が捕獲器の使い方をきちんとわかっていなかったようで、せっかく捕獲器に猫ちゃんが入ってくれたのに飼い主さんがそばに寄って持ち上げたら捕獲機が空いて逃げちゃった、という話も聞きます。無事家に戻れたはずの子が、そういったミスで野良になってしまうことも少なくありません。


1社に頼んで失敗した後、「ペット探偵はこういうもの」と諦めてしまう方もいますし、予算的にそう何度も依頼できないという方も多いため、私たちのように真剣に取り組む探偵がいることを知ってもらえるよう、業界を変えていきたいですね。


伊吹さん:ペット探偵は、迷子のペットだけではなく飼い主さんも助けられる素晴らしい仕事だと思います。ペットだからといって雑に扱うのではなく責任を持って向き合い、丁寧に対応することができる、そういった同業の方が増えていくと嬉しいですね。そうすれば、業界全体をより良くすることができると信じています。


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GPSやマイクロチップなどの普及は、発見しやすさに繋がりますか。


伊吹さん:GPSやマイクロチップは、あくまで「保険」の一部と考えた方がいいと思います。マイクロチップがあっても、動物病院でスキャンしないと情報が得られないので、保護した人が検査を依頼しなければないも同然です。GPSも猫や犬に装着することで多少の助けにはなりますが、特に猫の場合、敏感で装着を嫌がったり重さで歩かなくなってしまう子も多いです。


また、GPSは充電が切れたり、通信圏外になると追跡できなくなってしまこともあります。以前、北海道の雪山で大型犬が迷子になって数十人で捜索しましたが見つからず、雪が解けて見つかったという例もあります。猫でも狭い場所に入り込んでしまったために反応しなかったケースもあるので、そういった意味でも「保険」なのかなと思います。



どのようにしたら逃げられたワンちゃん猫ちゃんたちが、伊吹さんのような人に出会えますかね。


伊吹さん:難しいですね。頑張って有名になるしかないですかね。


春子さん:伊吹が有名になることで、私たちの探し方も広まっていけばいいですね。1日に1万歩以上歩くような地道な努力を重ねることで、1年越しに迷子の子が見つかることもあります。

同業者の方が同じように努力して、たくさんの迷子ペットを見つけてくれればと思い、SNSで細かく活動を発信しています。全部公開したらノウハウを盗まれるとも言われますが、そうすることで業界全体が透明性を持って変わっていけばいいなという思いですね。


伊吹さん:業界を変えるためには、良くないことをしている人に注意しても効果は限られています。人を変えることは難しいので、自分のやり方で信念を持って取り組んで、共感する仲間や会社を増やすことで良いことを広げて業界全体の意識を変えていくことが大事だと思っています。


最終的には、日本全国やアジアにも支社を増やし、多くの方を救える体制を目指しています。早ければ30歳くらいまでに日本全国に支社を作りたいですね。現在26歳ですが、先ほどお話ししたようにすでに何名かの指導をしています。今後は伝え方をうまくマニュアル化して、サポートしながら同じ信念を共有できる仲間を増やしていって、この広がりを加速させたいですね。



施設情報


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〒151-0064 東京都渋谷区上原1-44-2

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