わんこびよりの設立日と始めたきっかけ教えてください。
店長 三田さん:わんこびよりの設立日は2024年5月28日です。
もともと独立していて家庭犬のトレーニングや専門学校の講師をメインに活動していました。たまたまこの店舗が空くことになり、以前からこういった施設を作りたいと考えていたこともあり、経営者ともいろいろな話をし「やってみよう」ということで始めたのがきっかけです。
ペット業界でどのくらい働いていらっしゃいますか?
店長 三田さん:高校を卒業してから1年間、大阪にある保護施設でボランティアをしたり、他の保護施設でお手伝いをしたり色々なて活動していました。その期間中に、かつて多摩センターにあった「ワンニャンワールド多摩」という犬猫のテーマパークがオープンし、そこのオープニングスタッフで飼育スタッフとして働き始めました。
その後、働き始めた年の4月に専門学校に入学し、学校に通いながら仕事を続けました。そして、そのまま就職し、施設が閉鎖されるまで働いていました。施設がなくなった後は独立して、家庭犬のドッグトレーナーの仕事を始めました。高校を卒業した年からずっとこの業界で活動しているので、20年以上のキャリアを積んでいますね。
もともと東京出身で、地元はこの辺りです。東京で活動しながら、出張トレーナーとしての活動も約13年続けていて、それなりに長期間やってきていると思います。
また、仙台の専門学校でもトレーニングの授業を担当しています。現在も、ドッグトレーナーを目指す学生たちへの授業を行っており、ドルフィントレーナーの子達も教えていますが、イルカがいないので犬を使ったトレーニングの技術を教えています。元々、犬を使ったショーを行っていた経験があり、その技術を活かして学生たちに実務の基礎を教えています。
非常勤講師として、週に一度のペースで授業を担当しており、現在もトレーニングや動物看護師に関する授業を行っています。独立したのが13年前なので、それからずっとこのスタイルで活動しており、今も講師として指導を続けています。会社としてやってるわけではなくて、もともと独立したときからの繋がりなので、仙台に関しては私個人としての活動ですね。
ペット連れのお客様とどのようにコミュニケーションを取っているのか、具体的な取り組みを教えてください。
店長 三田さん:基本的には、スタッフにも「まず飼い主さんの話を否定しないこと」が大事だと伝えています。私たちがその姿勢を取らない限り、飼い主さんたちが本当のことを話してくれないことがあるからですね。
とはいえ、犬が示す行動と飼い主さんの言っていることが一致しない場合もあります。私たち自身にも思い込みがあったり、飼い主さんが犬を擬人化してしまい、良かれと思って行ったことが、実際には犬にとって良くない場合もあるのです。
ただ、私たちの視点から見て「それは違う」と思っていても、飼い主さんには悪意がないのです。それを全面的に否定してしまうと、飼い主さんは心を閉ざしてしまいます。そのため、まずはすべての話をしっかり聞くことが大切です。否定はせず、間違いがあれば、その上で適切な提案をしていくという姿勢を取っています。「これはこういう理由で、このようにしてみましょう」という形でトレーニングプランを提案し、飼い主さんの悩みやライフスタイルに合わせたプランを個別に設計しています。
多くの犬がいますが、同じ性格や状況の犬は一匹としていません。それぞれの犬の個性をしっかり理解し、飼い主さんとの意思疎通を大切にすることを心がけています。スタッフにも、この点を大事にするよう伝えています。
お客様との良いエピソードがあれば教えてください。
店長 三田さん:今、チームを立ち上げてからここができてまだ4~5ヶ月程度なので、それほど多くの事例はありませんが、一番印象的だったのは、例えば他の犬や人に対して吠えてしまう子が、少しずつ吠えなくなってきたことです。
以前は街中に出ると吠えてしまっていた犬が、最近ご家族でお出かけに行った際には一度も吠えることがなかったとのことで、嬉しそうにご報告をいただきました。そういった変化が少しずつ見えてきているのが嬉しいですね。
また、個別のトレーニングに参加しているお客様の中には、どうしても他人に対して吠えてしまう犬を連れてきた方がいらっしゃいました。その犬も今では、人を見ても吠えずに無視して歩けるようになりました。まだ他人に近づくことは難しいですが、少しずつ改善している様子を見ると、とても嬉しく感じます。
そして、フィットネスを取り入れたトレーニングをしている子もいます。その犬は膝や股関節、腰に問題を抱えていて、冬になると痛みで震えて動けなくなってしまう状態でした。手術適応の子だったんですが、2~3年ほど筋力トレーニングを続けた結果、今年になって獣医さんから「もう手術はいらない」と言われたんです。飼い主さんが「夜遅くに申し訳ないんですが、本当に嬉しいです」とLINEでご報告をくださいました。手術が必要だと言われていたのに、筋力をつけることで手術が回避できたという結果に、私もとても嬉しかったです。長文の感謝のメッセージをいただいた時、本当にやってきた甲斐があったなと思いました。
こういった成功体験は、ホームページのブログに書いてもあります。ゴールデンレトリバーのルカちゃんについてのブログだったと思います。
お客様の対応で難しかったことはありますか?
店長 三田さん:この店舗を立ち上げてからは特にありませんが、以前の経験ではありましたね。例えば、すべてこちらに丸投げしてしまう方や、「うちの犬は慣れないし、直らないんですよ」と、完全にこちらに任せきりにする方などのケースがありました。
しかし、飼い主さん自身が取り組まない限り、効果は出ないんです。そういった方々は、継続してトレーニングを行わないことが多いですね。その場だけ何とかしてほしい、という感じで終わってしまいます。
私としては、そういう場合は無理に続けなくても良いと思っています。お金がかかることでもありますし、目に見えないサービスに対して信頼や信用がなければ、無理に進めなくても良いんです。飼い主さんが「もういいや」と思うのであれば、それはそれで構わないと考えています。
よく聞かれるのが、「もう5歳なんですが、トレーニングはできないんですか?」とか「他のトレーナーさんに1歳を過ぎたらトレーニングは手遅れだと言われたんですが」という相談です。
私の考えとしては、飼い主さんが「トレーニングをしよう」と思った時が、まさにトレーニングを始めるべき時だと思っています。飼い主さんが向き合う決意を持たない限り、トレーニングは進みません。だからこそ、「今がそのタイミングじゃないですか」とお話しして、一緒にトレーニングを始めます。
実際、9歳半からトレーニングを始めた犬もいました。最初は他の犬や人に吠え散らかしていたのですが、最終的にはドッグランで遊べるようになったんです。もちろん時間はかかりましたが、飼い主さんが一生懸命頑張った結果、ドッグランで楽しく過ごせるようになりました。この経験からも、年齢は関係なく、飼い主さんが向き合えば犬は変わると思います。
こちらの施設の営業日、営業時間について教えてください。
店長 三田さん:基本的には年中無休で営業していますが、稀にお休みをいただくことがあります。その際は、ホームページやInstagramなどで告知しています。朝は9時半から、夜は17時半まで営業しています。
特にターゲットは絞っていません。病院業務以外のほとんどのことを行っているので、本当に些細なことでも、何かあったら気軽に駆け込んでもらえる施設になればいいなと思っています。
もちろん相談だけでも、全然問題ありません。「お散歩がてらちょっと寄りました」とか、「今ちょっとお話できますか?」といった感じでお越しいただければと思います。
将来的には、この場所が地域の子どもたちや動物たちが自由に走り回れるような場所になればいいですね。動物園のような感覚で、子どもたちが遊んだり学んだりできる場所になればと思っています。
当施設の魅力としては、圧倒的な広さが挙げられます。この規模の広さを持つ施設はなかなかありません。幼稚園として来る犬もいれば、トレーニングや運動目的で来る犬もいます。特に夏場は散歩が難しい時期ですので、「ここで思いっきり走らせてください」というリクエストもよくいただきます。大型犬のボルゾイやラブラドールなども、広いスペースで走り回り、疲れて帰ることができるので、飼い主さんも散歩が楽になると喜んでいます。
また、天候に左右されずに運動やトレーニングができるのも魅力の一つです。この広いスペースで、飼い主さんがやりたいトレーニングを十分に行えます。さらに、外での散歩も、河原や交通量の多い場所、モノレールが通るエリアを歩くことで、物に慣れるトレーニングが可能です。立地的にも、車や人、自転車を怖がる犬に対しては、非常に効果的な環境だと思います。駅にも近く、とても便利です。
地域の学校の先生方からも「何かあったら店舗に避難させてください」と言われることがありますが、もちろん大歓迎です。安全な場所として利用していただければ嬉しいですね。
セミナーや講演会などは開催されていますか?
店長 三田さん:現在はパピーパーティーを行っていますが、今後は他のセミナーも計画しています。特に小型犬に多い膝蓋骨や関節周りの問題に対する筋力トレーニングや、歯磨きセミナーなどを地域の方々に向けて実施したいと考えています。広いスペースがあるので、そうしたセミナーを開催するには十分な環境です。
今はまだ行っていませんが、今後はグループレッスンも導入していく予定です。来月には、多摩の桜ヶ丘公園や国立市の公園でのしつけ教室を予定していたり、ドッグランでのイベントも企画しています。しかし、天候に左右されない屋内での開催もできるようになれば、さらに便利だと思います。
多摩や八王子の都立公園でのイベントは、私がこの施設を立ち上げる前から続けている活動で、東京都の都立公園からの依頼や、国立市の場合は地域のボランティア団体からの依頼を受けて講師として参加しています。
場合によっては講師料が発生することもありますが、無料で行うこともあります。ケースバイケースですね。無料であっても、施設の宣伝になるというメリットがありますので、そういった理由で引き受けることもあります。地域住民の方が多いのと、私が以前から担当していた顧客の方々もいらっしゃいます。クラーク動物病院や、たかはた動物病院とも連携しており、週に1回のパピートレーニングと月に1回の個別トレーニングを行っています。動物病院とも連携を取りながら、さまざまな活動を行っています。
緊急対応の体制についてお伺いしたいのですが、こちらの施設ではどのように対応されますか?
店長 三田さん:当施設では、クラーク動物病院とたかはた動物病院と連携を取っており、緊急時にはどちらかの病院に連絡して対応しています。また、場合によっては私たちが自分の車で直接連れて行くこともあります。
お客様が別の病院に通っている場合も、とりあえずは連携しているクラーク動物病院さんやたかはた動物病院さんに行っていただく形になります。最近、クラーク動物病院さんは年中無休での対応が可能になったので、より安心してご利用いただけるようになりました。
地域によって、お客様はクラーク動物病院さんを利用する方もいれば、たかはた動物病院さんを利用する方もいらっしゃいます。お客様にとって通いやすい病院を選んでいただければと思っています。ただ、まだ緊急事態が起こったことがないので、実際にどうなるかは今後の課題ですね。
例えば、災害で建物が倒壊してしまい、飼い主さんが一時的にペットを飼えなくなった場合、一時預かりを行うことができるかというご相談があった場合ですね。この建物が無事であれば、可能な限り対応していきたいと考えています。まだ具体的なシステムは構築できていませんが、広いスペースがあるので、緊急時の避難場所としても役立てると良いなと考えています。
お仕事を通して、学びや成長した点についてお聞かせください。
店長 三田さん:そうですね。この店舗ではまだ日が浅いので具体的なエピソードは少ないですが、この仕事を約20年続けてきた中で、一番犬から教えられたと感じるのは、犬の「死に際」に向き合う瞬間です。
以前、動物園で飼われていた犬たちがいましたが、その子たちの最期が本当に様々で、それぞれ異なる亡くなり方をする犬に対し、どう向き合っていくべきかを深く考えさせられました。現在の施設でもデイサービスや老犬ケアを行っているため、年齢を重ねた犬たちや飼い主さんが、犬の最期について相談してくださることが少なくありません。その際、過去の経験をお伝えし、飼い主さんが気持ちを整理しやすくなるような話ができると、少しでも助けになれたかなと感じます。
飼い主さんが最終的な判断を下すことになりますが、その判断が安楽死であれ、手術であれ、獣医師に相談できない部分のご相談を受けることもあります。そのときは、「このように向き合う方法がありますよ」という選択肢を示すようにしています。
犬のトレーニングも同様で、最期までサポートすることが大切だと思っています。パピー期から通ってくれていた犬が、老齢になり、フィットネスやケアを通して最後の時まで寄り添うことができるのは、私にとって大きな学びです。飼い主さんも「やってあげた」という充実感が得られるようで、それが心の支えになるのだと思います。
私自身、動物園で働いていた20代前半の頃から、約600頭の犬を含む多くの動物を扱ってきました。その経験から多くの犬種に触れてきたことで、犬種ごとの対応方法がわかるようになりました。こうした経験を積んでいる人は少ないかもしれません。
最近は、経験が少ない若いトレーナーも多く、私の長年の経験が少しでも役に立てばと思っています。
当施設では、フィットネスを通じて健康な犬の体力向上を目指していますが、特に小型犬に多い膝蓋骨の問題など、手術の適応となるかもしれない犬に対しては、筋力トレーニングを提供しています。こうしたトレーニングはリハビリに近いもので、獣医師との連携が必要となります。
最近もクラーク動物病院の先生と連携を深め、膝や股関節に問題を抱える犬のリハビリを行っています。獣医師から「この範囲での運動なら大丈夫」といった指示をもらい、それをもとに当施設でトレーニングを進める仕組みを整えつつあります。
トレーニングやリハビリについて、具体的にどのようなサポートやケアが行われているのか教えていただけますか?
店長 三田さん:当施設では、幼稚園の他にデイサービスも提供しています。まるで人間のデイサービスのように、犬たちが来てくれて、トレーニングができる子にはトレーニングを行い、筋力が衰えてしまった子にはフィットネス器具を使ったリハビリを実施しています。
フィットネスは、脳トレのような効果もあり、認知症予防としても役立つと言われています。例えば、今日は2頭のフィットネスセッションがありましたが、その中の1頭、黒ラブちゃんはかなり高齢で、骨が痩せてしまい、足も悪くなってきています。しかし、以前からずっと私のトレーニングを受けてくれている子で、若い犬たちと触れ合うことで刺激を受け、元気を取り戻しています。
やはり若い犬たちだけでなく、老犬も最後まで自分の足で歩き続けることが大切だと考えています。大規模なリハビリ施設は難しいかもしれませんが、クラーク動物病院やたかはた動物病院と連携しながら、獣医師の許可を得た範囲でリハビリを行う形を整えつつあります。来年にはこのシステムを本格的にスタートさせる予定ですが、現時点でもすでに小規模ながら始めています。
リハビリを行う際には、必ず飼い主さんには獣医師の承諾を得ていただくようお願いしており、許可を得た上で適切な運動を行っています。例えば、てんかんの薬を服用している子の場合、薬の副作用で後ろ足が動かしにくくなってしてしまうことがあるのですが、その子もリハビリを続けることで階段を歩けるようになり、今では月に2回程度のフィットネスでもその状態を維持できています。
フィットネスには、体の動きを思い出させる効果や、脳の興奮を抑える効果もあるようで、非常に有効だと感じています。今後、さらにリハビリを強化していく予定です。
現在、当施設ではいくつかの事業を展開しています。幼稚園、トレーニング(出張および個別)、ホテル、一時預かり、デイサービス、トリミングサロンの6つの事業を運営しています。トレーナーは私を含めて3名、トリマーは1名、そして事務スタッフが1名という体制で運営しています。トリマーは今後増員する予定です。
次世代のため、今働いているスタッフへの教育について、どのように指導されてきたのか、また今後どのようにしていきたいかお聞かせください。
店長 三田さん:そうですね。私が専門学校で教えていたこともあり、うちのスタッフはほとんどが私の教え子、卒業生なんです。皆それぞれ理想とするリーダー像を持っていると思いますが、まず一番大切にしているのは、「飼い主さんの話を否定しないこと」です。
飼い主さんにとって、どんな短い期間であっても犬を迎え入れたことは大切な経験であり、そのプライドを傷つけるような発言はしないようにと伝えています。良い面や悪い面があったとしても、まずはそのまま受け入れ、飼い主さんの気持ちに寄り添う姿勢が大切です。
また、スタッフに対しては「自分の個性を隠さずに、そのままを活かして働いてほしい」と教えています。トレーナーの水野には生まれつき右手にハンディキャップがあり、入社後しばらくはそのハンディキャップを隠して働いていましたが、今では隠すことなく働き、トレーナーとしてもしっかり結果を出しています。同じように身体的なハンディキャップを抱えている飼い主さんやそのご家族が、彼女を通して希望を感じてもらえると嬉しいですね。実際、彼女がハンディキャップを乗り越えている姿が励みになるとおっしゃるお客様もいらっしゃいます。
ハンディキャップに対して「チャレンジド」という言葉が使われるように、ハンディキャップはマイナス要素ではなく挑戦だと捉え、彼女には自信を持ってほしいと考えています。リードを肩にかけるなど工夫してトレーニングを行っており、お客様にも気づかれないことが多いくらい、しっかり対応できていますよ。
スタッフみんな和気あいあいとした雰囲気で、チームワークを大切にしながらお互いに成長しています。
水野さんについてお伺いします。水野さんはいつからこちらで働いていらっしゃるのでしょうか?
スタッフ 水野さん:ここでは新卒で働いています。私と同級生のもう一人も同じタイミングで入社して、一緒に色々学びながら働いています。
私は犬と一緒に体を動かすことが好きなので、アジリティ(犬の障害物競争)をもっと本格的に取り組みたいと思っています。まだ始めたばかりですが、これからどんどんやっていきたいです。
専門学校では、担当のワンちゃんと一緒に既存のトレーニングや、福祉犬のトレーニングを行っていました。また、探知犬のトレーニングにも少し携わりました。探知犬は物品や特定の対象を探し当てる訓練をしますが、企業様からの依頼で、風力発電の施設で発電機にぶつかってしまった鳥の死骸を探すような訓練も行っていました。
もともと空港で働く探知犬の仕事を目指していました。食べ物の密輸防止や検疫のための犬の訓練です。ですが、学生時代に先生としてお世話になっていた三田さんからお声がけをいただいて、一緒にこちらで働きたいと思ってそのお話を受けました。
ここが立ち上がったばかりの施設なので、たくさんのことを吸収できる環境にいることがとても学びになっていますね。
この業界がより良くなるためには、どうしたらいいと思われますか?
店長 三田さん:もともとトレーナーを目指したときに思ったのですが、ドッグトレーナーという職業が必要なくなるくらい、すべての人が犬に関する知識を身につけてくれたらいいなと思っていました。
飼い主さんが犬について深く理解し、適切に接することができれば、自然とトレーナーの仕事は必要なくなるのではないかと思うこともあります。もちろん、現実的には仕事がなくなるのは困りますが、本当にそれが理想的な状況かもしれません。
シェルターで保護活動に関わっていたときも思いましたが、命を簡単に手に入れられる現状に問題があるように感じます。犬を迎える前に、その犬種がどんな特徴を持っているか、どのような行動傾向があるのかをしっかりと調べるべきです。最近は、実際に犬を迎える前に相談に来てくださる方も増えています。こうした事前の下調べや準備は、とても大切だと感じています。
また、情報が簡単に得られるネット社会の影響で、間違った情報を鵜呑みにしてしまうことも多いですね。ネットの情報だけに頼らず、プロに相談することも重要だと思います。日本では、犬に躾をしたりトレーニングの費用をかけることに対して抵抗がある方も少なくないのですが、子犬の頃にしっかりとトレーニングを受けさせておくことで、後々の生活が楽になることをもっと知っていただきたいですね。
外国では犬を迎えたらトレーニングスクールに通うことが義務付けられている国もあり、そういった地域では公共交通機関に犬も一緒に乗れることが一般的です。日本でも、そうした文化が広がっていけば良いのではないかと思います。
最終的には、飼い主さんの笑顔が増え、犬たちが楽しい毎日を送り、亡くなる瞬間まで自分の足で歩き、ご飯を食べられる、そんな幸せな一生を送れるようなサポートができたら、それが一番理想的だと感じます。
最後に、皆さんにお伝えしたいことはありますか?
店長 三田さん:何かあれば、どんなことでも構いません。幼稚園やしつけ、トレーニングなど、何でもお気軽にご相談ください。
トレーニングやしつけは、問題があるから行う特別なことではなく、社会のルールを教えるために必要なものです。理想的なのは、すべての飼い主さんが自然にトレーニングやしつけを行い、犬との生活に当たり前に取り入れていくことだと思います。しかし、多くの方にとって、ドッグトレーナーに出会う機会はまだ少ないのが現状かもしれません。
これからトレーナーを目指す方や、子どもたちが犬に関わる仕事に興味を持ってもらったり、色々な方が気軽に訪れ、学び、交流できるような施設を作りたいと考えています。実は、まだ話していないのですが、知り合いの大学の先生に『夏休みの自由研究で一緒に何かできないか』とコラボレーションの提案をしたいと思っているところです。小さな頃から動物について学べる場を提供することも、意義のある取り組みと感じています。
どなたでも気兼ねなくお立ち寄りいただける施設を目指していますので、気になることがあれば、どうぞお気軽にお越しください。
施設情報
わんこびより
〒192-0352 東京都八王子市大塚1472-4 リジェールせきば1F
042-680-8764/080-6026-9719
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