趣味や好きなスポーツ、食べ物、行きたい場所を教えてください。
井原 代表:スポーツはサッカーが好きですね。子供たちに教えてますし、自分でもやっています。小中高とやっていて、社会人になってからも1、2年くらいは続けていましたね。しばらく離れていましたが息子がサッカーを始めて、そのチームの親で組んでいるチームに入ってサッカーを再開しました。ポジションはキーパーです。
趣味はカメラです。子供やワンちゃんを撮影してあげたり、実益を兼ねています。浅草の揚げ餅屋さんの看板とかも全部私が作成したんですよ、写真だけじゃなくて。
食べ物は一回で食べられるものですね。丼ものとか。
行きたい場所は沖縄かな、家族でよく行くので。奥さんが石垣島が好きで、そこから色んなところへ行きますね。
これまでの経歴や施設の設立日をお聞かせください。
井原 代表:専門学校を卒業して、最初はペットショップに勤めていました。それからしつけ教室や保育園の園長をしていたのですが、個人で仕事を始めたのは2008年の2月16日です。それまで勤めていたところを辞めて、自分でやろっかなと思ってスタートしましたね。辞めた次の日から知人に仕事を紹介してもらって、散歩やシャンプーなどをしていました。
ある時「木場のトリミングサロンさんの場所を借りたからうちの子を洗って」と頼まれてそこでわんちゃんを洗っていたら、私の手慣れた動きに気づいたオーナーさんが声をかけてくれたんです。そこから色々とご縁があって、2012年4月21日にSKYWAN! DOG SCHOOL木場校をオープンしました。
オープンから1ヶ月後くらいに、犬の咬傷事件に関するブログ記事を書いたら今度はそれを見たテレビ局から声がかかって、出演の話がまとまった翌日に撮影をしたんですよね。テレビに15分か20分くらいうちの名前が出て、ありがたいことにそこから一気に知名度が上がりました。当時テレビを見て来てくださった方もいまだに通い続けてくださっているので、あの時のテレビ出演がなければ今こうしてやれていないんじゃないかと思います。
SKYWAN! DOG SCHOOL勝どき校は2019年5月8日にオープンしました。当時、勝どき付近から送迎で木場校に通ってくださっていた方に「新しくどこかで始めたいんですよね。いい場所あったら教えてください」なんてノリで話していたら、その方が勝どき校の近所にある飲食店によく行かれていたようで、偶然この場所がテナント募集していることを教えてくださったんですね。そのままテナントの管理者に連絡を取って、公募が始まったら声をかけるからすぐ内金持ってきて、と言っていただけたんです。ただ、いつその電話がかかってくるかわからないので、いつ電話が来てもいいように1週間ほどずっと大金を鞄に入れて持ち歩いていました。笑
そうして1階を借りることができて、そこから紆余曲折を経て今の3フロアを借りることになりました。結構なお金もかかりますしそれなりに迷いましたが、ここは勝負でしょ!と思い切って決めました。
結構ノリですよね。全部勢いというか、繋がりって言えばいいですかね。色々なことの繋がりみたいなものがあって、これがなくなったら俺終わるなと思って。だから物件も自分で探してないんですよね。全部たまたまそのときに周りにいる人のご縁だったり「やりなよ!」って背中を押していただいて今があります。
「SKYWAN!」という名前の由来を教えてください。
井原 代表:私が飼っていた「そらくん」っていう犬と「いちくん」という猫の名前をそれぞれ取っています。「そら」は「SKY」、「いち」は「WAN」に捩って「SKYWAN!」にしました。最近「みんなSKYWAN!を知ってるよ」と言っていただくことがあったのですが、結構適当に名前をつけてしまったと思っていて、せっかくなら「東京」とか「ジャパン」とかつけたらよかったんじゃないかなって少し後悔しました。笑
一応講師をしていた頃だったので学生にも聞いたんですよ、独立するからちょっと名前考えてよって。一応何となく「SKYWAN!」だと思ってたんですけど、1人「SKYWAN!」を挙げてくれてたんじゃないかな。それで、じゃあこれで行こう!と思いましたね。
最初は会社のロゴも別のデザインだったんですよ。よくありがちなアメリカンみたいなやつなんですけど。一時期ちょっと暇だったんですね、丸と四角だけで作ったらどうなるんだろうと思ってイラストレーターを使って遊び半分で今のロゴを作ったんです。これよくね?って出したら、その直後ぐらいにい忙しくなっちゃってそれからそのままです。笑
最初、ロゴの星はつけていなかったんですよ。そらくんといちくんが亡くなったので1個ずつ星を足して、一緒にという意味で載せているんです。
犬のしつけもそうなんですけど、自分で何かを作り出すのが苦じゃないんですよね。
今回、インタビューを受けようと思った理由を教えてください。
井原 代表:ロゴの話もそうなんですが、今まで、自分でできることは人に頼まないでなんでも自分でやってたんですよ。それこそ昔はお金もなかったんで、たとえば髪の毛を自分で切ってたりして、別に困ることもないからずっとそんな感じだったんですよね。
最近久しぶりに美容室に行って、もうちょっと人に任せようと思ったんですよね。プロはプロに任せて、お金払ってでもお願いした方が何か外から見た自分を出してくれるんじゃないかなと。
自分の中だけで完結させるのではなく、1回外からの評価も貰ってみたいなと思ったんです。
SKYWAN! DOG SCHOOLならではのサービスなどはありますか。
うちが犬の保育園サービスを始めたのは、木場のお客さんからのやってほしいという声がきっかけなんです。ちょっと預かってよって言うので、じゃあ預かろっかって。なんでもやろうかと言う話はしていたので、預かるならもう保育園やっちゃえばいいじゃん、という流れでスタートしました。我々が計画して始めたというよりは、お客さんからの「やってほしいな」というリクエストを受けて、じゃあやってみようかというスタンスですね。
最初はグループレッスンだけだったんです。今は保育園の他にもパピーパーティーを月一でやっていますが、毎回キャンセル待ちが出るほど盛況です。ただ、しつけの中でも一番難しくて気を使う部分でもあります。私自身が対応できても、スタッフが対応できるようになるには時間がかかるので、ちょっとずつ慎重に広げていっている段階ですね。
あとは「犬だけ校外学習」と銘打って、ワンちゃんだけマザー牧場に連れて行ったりもします。ありがたいことに大好評で、月に2回ぐらいマザー牧場に行ってますね。校外学習の場合は通常とは違って別途料金をもらった上で保育園のチケットも1回分使います、という感じです。こういった、飼い主さんの代わりにうちが何かできることはないかなというのは常に探してますね。
うちのお客さんとスタッフは距離がすごい近いんですよ。だから結構プライベートもお互い知っていたりするので、今回こういう企画をしてワンちゃん連れて行けますよ、とお話しすると「ぜひお願いします」と言っていただけます。そこは信頼関係あってのことですから、すごくありがたいことですよね。
お客さんとのコミュニケーションのコツはありますか。
井原 代表:簡単に言っちゃうと、私は「この子こうですね」というのを全部言います。全部言うと、そのときに怒るというか、むっとする人もいるんですが、オブラートに包むと人は信用しないんですよね。自分で作ったトレーナー養成の教科書にも書いたんですけど、全部言って、そのときイラッとしても、「でもあの人全部はっきり言ってくれたな」って信頼されるんですよね。もちろん、伝え方には気を付けます。人によって受け止め方が違うので、話す際はその人のタイプに合わせるようにしています。例えば、夫婦で来た場合も、個々の考え方に合わせて話を変えます。頭の中に映像を出すようなイメージで伝えるんです。話術っていうか、これに関しては結構1級品な自信がありますね。
これを学ぼうと思ってもなかなか難しいと思うんですけど、相手を傷つけない伝え方を意識することは大切ですよね。一部のトレーナーさんは、飼い主さんにきつい言葉をそのまま投げつけて傷付けてしまうことがあって、それはちょっと違うかなと思っています。こっち側が変えるべきで、話し方や考え方を工夫すれば違う結果が出るんじゃないかな。
現場でも、私が対応した時とスタッフが対応した時とで結果が違ってくるので、なるべく私が出なくても回るように、スタッフの成長を促しています。でも、うまくいかないときに私が出ると、現場の雰囲気が一気に変わることがあって、それは気持ちいい瞬間ですね。笑
つい最近のエピソードでは、めちゃくちゃ噛む犬の対応がありました。スタッフが噛まれて帰ってきたので、一緒に現場へ行きましたが、私はぜんっぜん噛まれなかったですね。めっちゃくちゃいい子でかわいいくて、飼い主さんに「男の人にこんな懐いたことないです」って驚かれるくらいで。帰りにスタッフが「もう私行きたくないです」落ち込んでたんですが「頑張ってください」って。同じにはなれなくても、それぞれのタイプでやり方を見つけていけばいいんです。経験を重ねれば、自分なりのアプローチが必ず見つかりますからね。
このお仕事を通して学んだことや成長したと感じることはありますか。
井原 代表:テレビは大谷翔平選手の話をすると、すごく使ってくれるというのを前回学びました。笑
だから、そういう方向で当てにいくのもアリかなと思っています。メディア関係の依頼は基本的に全部受けるようにしているんですけどその理由が、専門学校で教鞭を取っていたりするので「あの人に教えてもらってたんです」とか、以前勤めていたスタッフに「ここで働いてたんですよ」と自慢してもらえるように人前に出ている部分はありますね。
比較的最近ですと、大谷翔平選手の飼い犬デコピンの話をしましたね。メディアの依頼って急なことが多くて、「明日出てくれませんか?」みたいな話がしょっちゅうなんです。そのときもちょうど忙しくしていたタイミングで、正直頭が働いてなかったんですが「こんなタイミングで依頼が来るなんてそうそうないよな」と思って受けることにしました。
Zoomで取材を受けながら、「最近すごいと思ったことありますか?」って聞かれたんです。それで、「大谷翔平選手のあのデコピンの話はすごい」と答えたんですよ。あんな大歓声の中でも犬が冷静にボールを持って来れるんだ、と感動して「誰が教えたんだろう?もし大谷夫妻が教えてたとしたら、もう俺たちトレーナーはいらないなと思いました」なんて話をしたら「それいいですね、それで行きましょう!」と言っていただいて、次の日テレビでその話をしたんです。
そうしたら、ニュースで「プロのドッグトレーナーが称賛!」みたいに取り上げられて、なんだか持ち上げてもらっちゃいました。でも、そのとき気づいたんですよ。「こういうワードを言うとメディアが使いやすいだろうな」という意識することで、相手も話を取り上げやすくなるんですよね。お互いに盛り上がれて、結果的に良かったなって感じです。
難しい対応に直面した際ははどのように対応していますか。
井原 代表:私が言われることはないですけど、スタッフの若いトレーナーたちが「なんで先生じゃないんですか」って言われることはあったんですよね、昔は。今は私があんまり前に出ないようにしてるんです。神のようになってやろうかと思って。笑
出過ぎちゃうとやっぱり差が出てきちゃうっていうか、やっぱそれはオーナーとスタッフなので、最後に現れるヒーローみたいな感じの立ち位置ですね。お客さんと話したりする中でこの人難しいな、と感じるようなことは何年かに1回ぐらいしかいないですね。ただ、私はどうやら対応が難しい方を相手にした時の立ち回りが上手いみたいで、関係ないのに動物病院などでちょっとしたトラブルがあった時などになぜか私が「いやこれはね、こうなんですよ」って間に入って仲裁する役目をしていることもあるんですよ。
なので、仕事をしていてそんなに大変だとか難しいと思うような対応は、私個人ではないですね。
リピーターの方は多いのでしょうか。また、リピーター定着のコツはありますか。
井原 代表:コースが終わったら次のコースみたいな感じで、定期的にお会計している方や、もう何年も通い続けてくださっている方はいますね。1日に20件前後お受けしているので、1年間ですと単純計算で1,000件以上になります。なのでスタッフは大変ですよね。
通い続けてくださる理由は、「うちの子が喜んでるから」って言われることが多いですね。行くための用意をしてる時に一番楽しそうにしてるとか、帰ってきてすごい喜んでたみたいって言っていただけています。
うちでの様子は、帰り際に口頭で「今日こんな感じでした」とお伝えしたり、あとLINEやノートを作っているのでそちらでも報告していますね。ノートではどういった練習をしたのかという内容やトイレの時間、その日の体重や撮影した写真など細かく記載しています。
表紙を始めとした写真は一眼で撮っていたんですが、iPhoneが進化しすぎて今はiPhone撮影です。ノートは私がデザインして表紙の写真も毎年変えていたり、表紙のラミネートを通常より分厚くて硬いものにしていたり、めちゃくちゃこだわって作っているので年度の変わる時期は正直大変ですね。そのための機材もこちらに一頻り備えていて、入園したワンちゃんの写真がプリントされた通園バッグとノート、おやつポーチとリードをここで作れるようにしています。
このノートを作ろうと思ったのは、私の息子たちが保育園や幼稚園の卒業時にもらってきた、先生方の手作りのアルバムがきっかけでした。忙しい中で園児全員分のアルバムを作ってくれたんだと思うと、嬉しくて泣きそうになったんです。うちでも同じように成長記録としてノートを作ったら飼い主さんもきっと喜んでくれるんじゃないかな、と考えたんです。
ペット関連で尊敬している方や施設はありますか。
井原 代表:故人なのですが、伊藤佐枝子先生です。専門学校の2年生の時に、しつけの先生として担当してくださっていた恩師ですね。実際に教えていただいたのは1年間だけだったですけど、濃かったですね。先生の飼っていたワンちゃんが本当に良い子で、先生のいうことを本当によく聞くんですけど、それがすごく印象に残ってますね。
あとは先生の授業がすごく楽しかったんです。授業が始まる1分前になると、突然校歌を流すんですよ。みんな「うちの学校の校歌ってこんな曲だったんだ」と思うレベルの認識なんですが、何回かやってるうちに校歌が流れると授業開始の1分前だと認識して、みんな教室にぱっと行くわけですよ。それで「アウト!」とか「セーフ!」とか言いながら出席を取り始める。それまで学校っていうものがなんだかつまらないなと思っていたんですけど、伊藤先生に教わるようになって「すげえ楽しいじゃん」って思えたんですよね。
伊藤先生はこの業界ではすごい有名な方だったんですけど、当時自分はそんなこと知らないので「なんか面白い人だな」と思っていて、結構相談に乗っていただいたりもしましたね。
次世代への教育はどのようにされていらっしゃいますか。
井原 代表:基本にこっちから何も言わずに放置ですね。行き詰まってから、あれこうした方がいいんじゃないのみたいな感じでお話をします。結局、行動せずに悩んでいてもうまくいかないので、1回体験してみてよっていうところからですかね。実際にやってみて初めてわかることって多くて、体験して初めてアドバイスしたことが伝わることもあると思いますね。
これちょっと私じゃ無理かも、と自分で理解して上に相談できるかとか、そんなつもりじゃなかったんだけど、とクレームみたいな状態になって「どうしたらいいですか」って相談して、あれこれこれはこういうふうにしたら良かったんじゃないのって言って、成長してくれるのを地味に待ってます。本当に地味に待ってます。
今はもう私が下の子達に指導をすることは少なくなっていて、責任者たちがやってくれているんですよ。その責任者たちは、結構へこんでからきますね。それこそ噛まれたとか、思いつく限り行動してみて本当に手立てがなくなってしまった時に相談してきますね。ひとまずやるだけやってから来るようにと昔から伝えているので、私の教えが根付いているなと感じます。
SKYWAN! DOG SCHOOLでの緊急時の対応についてお聞かせください。
井原 代表:まず一番最初飼い主さんに電話ですね。ただどうしても繋がらないこともあるので、その場合は緊急性を優先して病院に連れて行きます。その後改めて連絡し直しますね。基本的には、重症度でない場合は病院まで飼い主さんに迎えに来ていただいて、そこで引き渡すという流れですね。
例えば、勝どき病院さんや他の動物病院さんに、有事の際は連れて行ってもいいですかと事前に声をかけてあるので、必要な場合はそちらに連れて行きます。周囲の動物病院さんと連携してる感じですね。あとは近隣に24時間診療の動物病院さんもあるので、必要に応じてどこに連れて行くかを判断しています。
業界をより良くしていくにはどのような変化が必要だと思いますか。
井原 代表:BtoBでの横の繋がりが必要ですね。それが一番だと思います。現在は同業者を強くライバル視する傾向があるように感じていますが、保育園なら保育園同士で「うちのお客さんが今度引っ越すので、もしよければそちらを紹介してもいいですか」みたいなことができたらいいなと思っているのですが、なかなか難しいように感じます。
過去、うちにワンちゃんを預けていた方が海外に行ったまま予定の日に帰って来れず、うちも予約の都合でどうしてもお預かりの延長ができなくて、別のペットホテルに連絡を取って向こうの調整がついたのでそちらのペットホテルに連れて行ってなんとか引き受けてもらう、みたいなこともあったのですが、そういうことがもっと気軽にできるような横の繋がりがあるといいんですどね。
今後の展望などはありますか。
井原 代表:なんでもいいんですが、テレビのレギュラー番組とかほしいですね。こんな風に言ってたらどこかからお話しいただけたりしますかね。笑
あとは昔から言ってるんですけど、日本全国どこでも「SKYWAN!」の名前をみんな知ってくれてるようにしたいなとは思ってます。最近だと東京ぐらいだったら何となく認知されてきたかなとは思ってるんですけど。あとは海外展開ですかね。
最後に、伝えたいことはありますか。
井原 代表:しつけ教室や保育園ってお金かかるのかなとか、話を聞くだけでもいいのかなとか、敷居が高いって感じてしまうと思うんですよね。なので、何かアクションを起こしてもらうのが一歩目ですかね。ちょっと話聞いてみようかな、ってアクションを起こしてもらえれば、二歩目はうちから提供しますよ、ということはお伝えしたいですね。
あとは「しつけ」というものを飼い主さんができるようになってほしいですね。勿論こちらもやるんですけど。スーツ買うと「しつけ糸」って入ってるじゃないですか、あれって形を崩さないように入っていて、やがて外していくものですよね。それと同じで「しつけ糸」の部分を飼い主さんと我々で一緒にやりませんか、という思いです。気になることがあればぜひ会いにきてください。
施設情報
SKYWAN! DOG SCHOOL 木場公園校
〒135-0042 東京都江東区木場3-16-8-2階
SKYWAN! DOG SCHOOL 勝どき校
〒104-0054 東京都中央区勝どき4-3-15
※インタビューの情報は2024年12月現在のものとなります。
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